無印良品の「あれ」は決して安くないのになぜ飛ぶように売れるのか?(松下)
先日、ブランド・コンサルタントである江上隆夫(えがみ たかお)さんの書かれた
『無印良品の「あれ」は決して安くないのになぜ飛ぶように売れるのか?』
という本を読みましたので紹介させていただきます。
この本で、著者が述べていることは、「会社のコンセプトの重要性」です。
ただ、コンセプトと言われてもあまりピンときませんよね。辞書を引くと、「概念」や、「観念」というように書かれてあります。しかし、著者が述べるコンセプトは、「principle」つまり、「原理・原則」といった意味に近いです。つまり、コンセプトとは、目的を達成するための「原理・原則」を短く明確に表現したものであり、「行動の指針」となり、全体を動かす「原動力」なのです。
では、タイトルにもなっている無印良品のコンセプトとはどのようなものなのでしょうか。
無印良品のホームページの「無印良品の未来」というメッセージを読むと、そのコンセプトが見えてきます。そこには、「これがいい」ではなく「これでいい」を目指し、「で」のレベルを上げるといった旨が書かれています。 「これがいい」と聞くと、かなり強い欲求を示しており、万人受けを狙うというよりは、特定の層をターゲットにしているという印象を受けます。
一方「これでいい」と聞くと、欲求としては少し抑えられ、多くの人の許容範囲を狙っているという印象を受けます。しかし、同時に「これでいい」と聞くと、どこか諦めのようなものが含まれているように感じませんか?
そこで、無印良品は「これでいい」商品を作る中で、この「で」のレベルを上げていくことで、「これでいい」が抱える諦めを払拭してきたのです。この「で」の中に、無印良品のコンセプトが凝縮されているように感じます。
組織の中で働いている方は、どんなコンセプトに従って行動していますか?組織を動かしている方は、どんなコンセプトを組織に示していますか?
コンセプトは、組織全体で目的を達成するための重要な役割を担っていると感じました。
2014/10/01
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