国税局直轄トクチョウの事件簿(砂川)
特別調査部門とは、風俗店や飲食店の他、弁護士、司法書士、医師など、大口の申告漏れが見つかりそうな案件を対象に活動する、国税局直轄の調査チームのことです。
つまり、一般調査部門では荷が重い調査を受け持っている部門といえます。
この本では、著者の上田さんが過去に担当した案件の紹介をしておりまして、
当然本になるくらいですので、大口の脱税案件の見抜き方を、税務署側の視点でドラマチックに描いています。
この本に書かれた納税者のように、「無申告」あるいは「悪質な納税者」には、
厳しい追徴を課することは私もやむなしと思いますし、
正直者が馬鹿をみる、という社会にならないよう、
税務署は、その役割をきちんと果たしてもらいたいと考えております。
一方、実務上の税務調査において、税務署とのやり取りで、納得ができず、
長期にわたって話合いを続けることもままあります。
実務上、意図せずあるいはやむなしで、税法の範囲を超えてしまった取引をしてしまった場合、
あるいは、単純なうっかりミス。
法律が実務の実態をあらわしていないものも数多くあります。
誠実に経理にあたっておられ、納税にも理解のあるお客様に対して、
杓子定規に課税処分をしたり、横柄な態度をとられたりすると、本当に憤りを感じます。
線をひくのは難しいのは理解できます。
租税正義とは何なのでしょう?
2013/02/08
- 読書発表・本紹介