柳井正 わがドラッガー流経営論(丸本)
この本はNHK教育テレビで2009年6月に放送された「仕事のすすめ わがドラッガー流経営論」を番組制作班が柳井氏の了解を得て出版したものです。
柳井氏は言わずと知れた、「ユニクロ(?ファーストリテイリング)」の代表取締役で、日本を代表する経営者の一人です。そんな柳井氏も実父が創業した柳井商店に入社した当時は、経営の経験も知識もなく、なんとなく流行っていたので読んでみたのが「ドラッガー」との最初の出会いで、当時は会社をここまで大きくするとは考えてもいなかったそうです。
その後、会社に転機がおとずれるごとに、ドラッガーに立ち返り、重要な意思決定をされています。
ひとつが、株式公開を決意するときです。上場会社としてその責務を考える際に「ドラッガー」に立ち返り、企業は社会の公器であるとの考えをより強く意識することになったそうです。
もうひとつはフリースによる爆発的なヒットの後、グループ全体が低迷期に陥ったときです。フリースによるバブルに浮かれた全社を原点に立ち返らせるために「ドラッガー」を読み返し、あらためて「顧客創造」を強く意識されたそうです。
学問として経営を学んだことのない人でも、ユニクロの躍進の歴史を見れば、多くのことを学ぶことができると思います。その根幹が、ドラッガー流の経営論です。また、ドラッガーが難解で理解しがたい人にとって、その理論をユニクロに置き換ることで、非常に分かりやすいと思います。本書はこの関係を解説しており、非常に納得しやすい内容です(深みに欠ける部分はありますが)。
ただし、ドラッガーの経営論が177頁におさまるわけもなく、本書では「顧客創造」と「知識労働者」の2点にフォーカスされています。
特に「顧客創造」については、ドラッガーで最も有名な言葉であり、それを身近に感じることができるのがユニクロのフリース、ヒートテック、ブラトップ等の商品開発です。既にある需要に対して商品を供給するのではなく、潜在的なニーズをキャッチし、付加価値をつけ、伝わる広告をうつ、ことによって新たな顧客(マーケット)が創られる、まさにドラッガーが言う顧客創造が実践されています。なんのブランド力ももたないユニクロが、成熟産業とみなされていた衣料の製造小売で、ここまで躍進したのは、愚直なまでの「顧客創造」に対する強い取り組みだったことがわかります。
この本でドラッガーの全てを理解することは出来ませんが、ドラッガーの理論が現代の経営において今もなお有効であることは十分納得できる内容です。
柳井氏は言わずと知れた、「ユニクロ(?ファーストリテイリング)」の代表取締役で、日本を代表する経営者の一人です。そんな柳井氏も実父が創業した柳井商店に入社した当時は、経営の経験も知識もなく、なんとなく流行っていたので読んでみたのが「ドラッガー」との最初の出会いで、当時は会社をここまで大きくするとは考えてもいなかったそうです。
その後、会社に転機がおとずれるごとに、ドラッガーに立ち返り、重要な意思決定をされています。
ひとつが、株式公開を決意するときです。上場会社としてその責務を考える際に「ドラッガー」に立ち返り、企業は社会の公器であるとの考えをより強く意識することになったそうです。
もうひとつはフリースによる爆発的なヒットの後、グループ全体が低迷期に陥ったときです。フリースによるバブルに浮かれた全社を原点に立ち返らせるために「ドラッガー」を読み返し、あらためて「顧客創造」を強く意識されたそうです。
学問として経営を学んだことのない人でも、ユニクロの躍進の歴史を見れば、多くのことを学ぶことができると思います。その根幹が、ドラッガー流の経営論です。また、ドラッガーが難解で理解しがたい人にとって、その理論をユニクロに置き換ることで、非常に分かりやすいと思います。本書はこの関係を解説しており、非常に納得しやすい内容です(深みに欠ける部分はありますが)。
ただし、ドラッガーの経営論が177頁におさまるわけもなく、本書では「顧客創造」と「知識労働者」の2点にフォーカスされています。
特に「顧客創造」については、ドラッガーで最も有名な言葉であり、それを身近に感じることができるのがユニクロのフリース、ヒートテック、ブラトップ等の商品開発です。既にある需要に対して商品を供給するのではなく、潜在的なニーズをキャッチし、付加価値をつけ、伝わる広告をうつ、ことによって新たな顧客(マーケット)が創られる、まさにドラッガーが言う顧客創造が実践されています。なんのブランド力ももたないユニクロが、成熟産業とみなされていた衣料の製造小売で、ここまで躍進したのは、愚直なまでの「顧客創造」に対する強い取り組みだったことがわかります。
この本でドラッガーの全てを理解することは出来ませんが、ドラッガーの理論が現代の経営において今もなお有効であることは十分納得できる内容です。
2010/05/03
- 読書発表・本紹介