アイネックススタッフ日誌

I-NEX STAFF DIARY

塾と学校(丸本)

先週、2つの新聞にメガバンクの新人教育に関する記事が掲載されていた。内容は、三井住友銀行が「SMBCリテールババンキングカレッジ」と称する社内学校を設立し集合研修で知識習得を促す。みずほ銀行が「みずほ塾」と称してエース級の中堅職員が「塾頭」となり業務終了後に近隣支店の新人十数人を集めてざっくばらんな意見交換をするとのこと。

内容に関して思うところは多々あるが、この内容の伝え方が新聞によって大きくことなっていた点が気になった。各誌のタイトルは次のとおりである。

A新聞「若手行員に「塾」質向上へ、営業ノウハウ伝授」
B新聞「行内に「塾」や「学校」、大量採用で教育に苦心」

A新聞だけを読むと、「銀行員の質が向上する」と捉えるのに対して、B新聞だけを読むと「銀行員の質が落ちている」と感じてしまうだろう。新聞にかぎらず一度フィルターを通った情報から本質を読み取ることは難しいと感じる一面である。


なお、この記事関しては、B新聞の捉え方が正しい。バブル崩壊後不良債権処理に苦しむ銀行は新人採用を激減させ、その上2000年の金融危機に多くの若手職員が転職したため銀行では30代の職員が枯渇している。一方でそれを補うために2004年以降大量採用を繰り返した結果、現場(支店)では本来新人を指導する立場の先輩職員がいない状況に陥っている、と先日メガバンクの担当者が愚痴をこぼしていた。


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2008/08/20

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