「あなたが上司から求められているシンプルな50のこと」
「あなたが上司から求められているシンプルな50のこと」濱田 秀彦 (著)
研修講師をされている筆者が、研修参加者に「部下に期待すること」「上司が期待していると思うこと」を書いてもらうと一致するのは、わずか3%程度だそうです。
この意識ギャップは、上司が部下に期待していること伝えていないことが一番の理由だが、結果としてこの期待が伝わらなければ損をするのは部下であるとして、このギャップを埋めるための50の提案が載っています。
一つをご紹介すると、「事実を言ってほしい」の項目に、「報告では事実と意見を交ぜない」と書かれています。
報告しているとイライラしたように上司から「事実を話せ」と言われ、言われた通りに事実を話し終わると「提案がない・受け身の指示待ちだ」と言われる。
部下が矛盾に反論したくなるあるあるです。
しかし、これは上司からすれば矛盾がありません。
その理由は、まず状況を正確に把握し、その後に妥当な対応を考えたいが、主観が混じると話がわかりにくくなるためです。そう聞くと納得する人が多いのではないでしょうか。
このように提案の50はすべて「~してほしい」とタイトルがついています。
さすがに50個もしてほしいと言われ続けると、35個目くらいにうんざりしてくる(汗)ので、さらりと読んでその時の自分に必要なところをやっていくのがいいと思います。
またこの本には、上司向けの本もあります。今回の部下向けの本は、若いビジネスパーソンを対象としていると思いますが、上司が部下対策(?)に読むのもわかりやすくていいのではないかと思いました。
ひとりひとりが活き活きと活躍するには、評価されている実感も重要です。そのためには評価される側も期待されていることを正しくキャッチすることが重要だと改めて思いました。
石野 淳子
2020/08/11
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