イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」
生産性が高い人は、仕事をするスピードが速いわけではありません。まず問題を解く前に、その問題を見極めているかどうかが、生産性の高い人とそうでない人の違いである、と本書では述べられています。
目前の問題に取り掛かるとき、やみくもに手をつけているだけでは、時間と労力は減らないことは理解できます。では、問題を見極めるとはどういうことなのでしょうか。
ビスネスパーソンであれば、きっちりと対価がもらえる「意味のある仕事」をバリューのある仕事と位置づけ、バリューの本質を考えていきます。
バリューの本質とは、
「イシュー度」:自分の置かれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ
「解の質」:そのイシューに対してどこまで明確に答えを出せているのかの度合い
の2つで成り立っています。つまり、「イシュー度」も「解の質」も高ければバリューのある仕事ができるのです。
では、「イシュー度」と、「解の質」はどちらが重要でしょうか。どれだけ「解の質」が高くても、バリューのある仕事には到達できません。なぜなら「イシュー度」が低ければ、どれだけ多くの問題に解を出しても、「イシュー度」は上がらないからです。つまり、「イシュー度」を上げて、次に「解の質」を上げていくというのが正しいと著者は述べています。
クライアントに対してバリューのある仕事をするため、「イシュー度」と「解の質」に意識を向けるという発想に触れ、頭の中をスカッと整理してもらった気がします。本書の考え方を身につけることで、クライアントの利益に繋がるよう取り組んでいきたいものです。
著:慶応義塾大学環境情報学部教授 ヤフーCSO 安宅和人
A.S
2021/06/17
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