『赤字会社の9割を黒字化させた 経営の基本』
赤字会社の9割を黒字化させた 経営の基本
この本は、3000社を指導した名コンサルタントである税理士の岩永先生の著書です。
弊社では、5か年の経営計画を策定する「中期経営計画策定セミナー」、そしてその計画に基づき、月1回経営会議を開催して目標と行動を管理する「MAS監査」というサービスを提供しております。
会計は過去の実績を数字としてとらえるものですが、MAS(マネジメント・アドバイザリー・サービス)監査は会社の未来(5年後)のありたい姿を描き、そこから逆算して1年、1か月の数値目標と行動計画を策定して管理するもので通常の会計(過去会計)に対して「未来会計」と呼ばれます。
岩永先生はMAS監査の第一人者であり、MAS監査の真髄を学ぼうとこの本を手に取りました。
この本の内容の中で印象に残ったもの4つをご紹介させていただきます。
1.未来会計の真髄
経営は、未来からの逆算であるという考え方があります。さらにいうと「原因と結果の法則」を経営にうまく生かそうという考え方です。
『勝敗の行方は戦う前に決まっている。勝つための準備を整えた者が勝ち、そうでない者が敗れているのである』(孫氏の兵法)
「経営計画」とはまさに得るべき結果を出すためのシナリオづくりです。あるべき姿(結果)を描き、現状との差をとらえる、その差を埋めるために何をなすべきなのか、そのなすべきことが目標です。
未来会計の真髄は「結果を得るための原因をつくること」つまり「準備を万端に整える」ところにあります。
2.成長し続けている企業の3つの特徴
①独自の経営観を持っている
②付加価値の高い事業領域を確立している
③人材育成に熱心である
「独自の経営観」とは、「なぜこの事業をしているのか?」の問いに明確な答えを持っていること、つまり事業の目的が明確であることです。また、「付加価値の高い事業領域の確立」とは「あなたの会社でないと困る」というロイヤルティーの高い顧客に恵まれているということです。
①と②の重要性を理解し、実行して、企業風土を作り出しているのが人材です。ゆえに「人材育成」に熱心な組織は成長し続けるのです。
3.パラダイムシフトの時代における「変化」への適応
『最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である』(ダーウィン)
『変化をマネジメントする最善の方法は、自ら変化をつくりだすことである』(P・F・ドラッカー)
つまり、イノベーションこそが今日における最も重要視すべき経営課題であり、自己革新における創造的な破壊、その先にどんな未来があるか、あるべき姿を鮮明にすることができた企業が時代をリードするのでしょう。
4.未来を知ることができる二つの方法
『未来を知る方法は二つある。一つは、自らの手で未来を創ることである。もう一つは、すでに起こった未来を予期することである。』(P・F・ドラッカー)
まず「未来を創る」ですが、成功者はすべて自分の確かな「未来」をもっています。それは事業者の内面にある大志であり、会社の理念・目的・ヴィジョンという形で表現しています。
次に「すでに起こった未来」とは、外部環境で起きている変化のことです。その変化をとらえ、その影響力をみることによって未来を知ることができる。グローバル化、人口や環境の問題、エネルギーや食糧などのもたらす変化、業界を変えようとするイノベーターの動きにも注視する必要があります。
『未来に最も影響を与えるのは、自分の意思である』(P・F・ドラッカー)
ウィズコロナ、アフターコロナを生き抜くため、経営計画の重要性は高まっていると思います。
会社の将来像を明確にしたい、今やるべきことを整理したいという経営者の方は、ぜひ弊社の「中期経営計画策定セミナー」にご参加いただければと思います。
アイネックス税理士法人 伊藤
2020/10/04