税について考える
このスタッフブログの執筆当番は、アイネックスの全スタッフで回しているのですが、何故か毎年11月の「税を考える週間」に自分に当番が回ってきます。
これは、日頃から「税」と向き合いながら仕事をしている人間として税についてもう少し考えなさいといった神の啓示なのか・・・。
ということで、今回は(も)、「税を考える週間」について書かせていただきます。
「交通安全週間」は知っていても、そもそも「税を考える週間」をご存じでない方もおられるかと思います。
「税を考える週間」とは、国税庁による税務行政に対する知識と理解を深めてもらうための啓蒙活動週間で、毎年11月11日から同月17日までの1週間が「税を考える週間」になります。
私がこの時期に楽しみにしているのは、税務大学校で行われる大学の教授や国税局の職員による公開講座です。少し前までは埼玉県の和光市にある税務大学校にわざわざ足を運ばないと見聴講できませんでしたが、ここ数年はオンデマンドで聴講できるようになったので、本当に便利になりました。
公開講座のラインナップは下記のURLにある6講座になっており、令和5年11月10日から事前申込制で受講することが可能です。
https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kokai...
個人的には、「インボイス制度・電子帳簿保存法が拓く新しい納税環境(酒井教授)」の講座は受講したいなと考えています。
もしかしたら講義内容とイメージが違うのかもしれませんが、電子帳簿保存法の創設による調査手法の変化には興味があります。
私も3年間国税不服審判所に任期付き職員として勤務しており、その際に知り合ったプロパーの税務職員の方の中にも税務調査の職人的な方が多くいらしました。
エビデンスや帳簿をDX化することにより、紙が持つ情報がなくなることから、そういった職人の経験則が生かせない場面も想定できるのかなと。
そういう意味で時代の移り変わりに併せて調査手法も変わらないといけないし、企業や個人事業者の監査業務を行う税理士も税務調査に対応できるだけの準備を日頃から心がけないといけないと感じています。
最後になりますが、私が日頃より税(法)について思うことは2つあります。
一つは、税法には不確定概念が多いことです。納税者の法的安定性を保つ上で、解釈によらずできる限り課税要件を明確にして欲しいと思っています。
もう一つは、税法には本法、措置法、これらの改正附則があり、複雑すぎて読みづらいことです。
いつももう少し整理できないだろうかと思ってます。例えば、贈与税の基礎控除は110万円なのはご存じだと思いますが、相続税法上は昔の基礎控除額60万円(相法21の5)のままになっていまして、措置法70の2の4で110万円に置き換える形の法体系になっています。税法って、こういった読み替え規定が異常に多いです。
もっと納税者に身近な法律になってほしいものです。
相続事業承継部 野又 崇
2023/11/08
- スタッフの雑談