金箔ソフト
私事ですが先日、金沢へ旅行に行ってきました。
近江町市場や温泉街など楽しんだほか、京都に似た歴史を感じさせる風情ある街並みには、江戸時代から続くいくつもの老舗が軒を連ねていました。
豊富な山海の幸に恵まれ、名産品が多い金沢市で新しい名物として評判を呼んでいるのが金箔ソフトです。
僕自身も以前よりSNS等で金箔ソフトのことは知っていましたが、実は歴史はまだ浅く2015年の北陸新幹線開業の際、歓迎の思いを込めて誕生した商品でした。
これらを扱うために考えられたのが「あかうつし」という技法です。
和紙を金箔に重ねると、微弱な静電気によって接着されます。これは極めて弱い接着のため、すぐにはがせます。この性質を用いて金箔を扱う伝統技法です。
この伝統技法にて金箔を1枚1枚丁寧に目の前でソフトクリームの表面に貼り付けたものが金箔ソフトです。
では、なぜ短期間でここまで人気になったのでしょうか。
金箔自体は基本的には無味無臭です。言ってしまえば、あってもなくても味自体にはなんの変化もありません。
金箔ソフトが大きな人気を呼んだ一つの理由がSNSです。
日本には、味だけでなく見た目でも料理を楽しむ文化が古くからありました。
食用の金箔も、食卓を華やがせる「見た目の調味料」として用いられてきました。こうした文化がSNSと結びつき、料理を写真に撮って、多くの人と共有して楽しむ新しい食の文化として発展していきました。
実際、店内でも多くの方が金箔ソフトを片手に写真を撮られていました。
金箔と言えば、料亭などの高級料理で見るものという印象でしたが、ソフトクリームという老若男女問わない手ごろな食べ物、地元の工芸品、伝統技法の組み合わせにより文化を確立していく。
これもまた、新しい伝統の受け継ぎ方ではないでしょうか。
何気なく楽しんでいるものもその背景を知るとより楽しみが増えるなと思う良い経験でした。
皆さんも金沢にいった際には是非!
アイネックス税理士法人 京都事務所 K.K
2023/04/10
- スタッフの雑談