「起業を考えている人のための創業融資を受けるためのポイント」
日本政策金融公庫 国民生活事業ご担当の方に創業支援についてのお話を伺う機会があり、今回は印象に残ったものをまとめてみました。
◇創業融資を受けたい人のよくある質問
Q個人事業or法人で、融資の際に有利不利はあるのか
A個人でも法人でも融資の判断はかわらない
Q支店選びはどのようにすればよいか。会社の所在地か自宅の近くかどちらを選べばいいのか
Aどちらでも柔軟に対応可
Q事業計画上、創業してどれくらいの期間で黒字化することが多いか
A黒字するまで平均6、7ヶ月はかかるところが多い
Q利息の利率を下げる方法は何かないか
A新創業融資制度あり(参考:新創業融資制度|日本政策金融公庫 (jfc.go.jp))
また、35歳未満男性、55歳以上男性、女性の創業者の場合、金利が安くなる融資制度あり
Q自己資金はいくらあればいいか?
A自己資金は自分の身をまもるためにも必要。だいたい設備投資の約3割を自己資金で準備されることが多い
Q親から借入する場合、どういう方法がいいか
A手渡しでもらって、銀行に入金は証拠が残らないのでダメ。印象悪い
きちんと誰から借入したのかわかるように、親から通帳に入金してもらうこと
◇審査のポイント
「人・もの・金」に着目
- ①人
過去の経歴・人脈・人柄を重視
誠実さ、勤務経験(長年の業界経験)、店長経験あり→マネジメント能力ありと判断される。
プラスに働く要素を盛り込む略歴にするとよい。
面談の時間をきちんと守るかなども考慮されるそう。
②もの
商品力・販路
③金
借入が多額にないか、個人信用情報に問題はないか(住宅ローンはほとんど関係なし)
自己資金は、自分で貯めたお金なのか、親からの支援なのか
極力自分でためたお金の方が良い(資金計画性があると判断される)
余裕ある資金繰りは創業準備の証である(計画性・事業意欲がわかる)
資金の貯め方でその人の性格・人格がわかる
④その他
経営者としての能力が備わっているか、経営者としての自覚をもっているか
ビジネスプランが的確なものかをポイントに置いているかどうか
自己資金があっても業界の経験がないと難しい
魅力ある企業かどうか
従業員は雇うのか。雇用の予定なら、すでに人員は確保できているか
◇事業計画書について
・なぜ今創業したいのか
・具体的な事業計画、資金調達の方法(自己資金の準備・借入)、収支予測、返済予測ができているか
・売上、利益の見通しがたっているか
・全体の内容が整理されているか、コンセプト、創業動機に計画性があり、一貫しているか
・借入に依存しすぎていないか
・設備投資の金額は適切か
・事業計画書は、3パターンを考えておく(経営成績が良い・普通・悪い)普通のパターンもしくは、固めの計画を提出
◇所感
融資担当の方がお話されていた中で、創業は小さく生んで大きく育てる。という言葉が印象的でした。
初めから、大きな設備投資をして、多額の借入をするよりもまずは、手堅く始めること!
最低限必要なものだけ揃える。相見積もりをして、少しでも費用を抑える。無駄なものは省く!あとは、創業後の手元に残る資金はいくらかも重視(全財産の投入は危険)という言葉もとても印象に残りました。
創業するための融資を受けられたことが目標達成のゴールではなく、スタートであり、事業を継続していくためにも、事業計画書の大切さを実感しました。
アイネックス税理士法人では、創業融資のご相談や、事業計画書の書き方についてもアドバイスさせていただいております。
起業をお考えの方は、お気軽にご相談お待ちしております。
アイネックス税理士法人 矢嶋
2022/11/08