成人発達理論
ハーバード大学のロバート・キーガン博士が研究されてきた成人の発達理論について紹介します。成人発達理論は、「人は成人してからも知性や意識が発達し、生涯にわたり成長し続ける」という考え方を説いています。自分が今どの発達段階にあるのかを考えてみると面白いと思いましたので紹介します。
まず、人の発達・成長には大きく5つの段階があり、成人してからの知性の成長には大きく3段階があるとされています。
では、人の発達・成長から見ていきましょう。
・第一段階「具体的思考段階」
言語を習得した子どもや未成年が該当します。成人は第二段階以降に分類されます。
・第二段階「道具主義的段階」
成人はこの段階からです。他人の立場で物事を理解することが難しく、他人を道具のようにみなします。
これが成人としたら、まだまだレベルが低そうです。あまり一緒に働きたくない部類の人ですね。
・第三段階「他者依存段階」
他人の立場を理解できるが、自らの価値基準が定まっていません。組織では上の決定に無条件に従いがちで、自律的に行動できません。
指示待ち人間の段階ですね。入社1~2年は通るべき道といえるかもしれません。
・第四段階「自己主導段階」
価値基準がはっきりと定まり、他人の考えを尊重しつつ、自分の判断で行動することができます。
大分成長しました。自律的に仕事をこなせる段階です。周囲ともうまくやれそうです。
・第五段階「自己変容・相互発達段階」
他人の価値観を柔軟に受け入れ、他人との関わりあいの中で自分・他人の両方の成長を促すことができます。この段階にいる人は人口の1%にも満たないともいわれ、組織内ではリーダーの資質を持つ貴重な人材です。
⇒1%にも満たないとはちょっと驚きますが、私の周囲にはたくさんいるような気がします。
次は、成人になってからの知性の発達の3段階です。
・第一段階「環境順応型知性」
自己の信念や確固たる考え方がまだ確立できてらず、まわりに流されやすく、組織内では指示待ち社員やイエスマンになりがちです。
忠実な部下タイプですね。周囲からどう見られるかを気にして、やたらと忖度してしまうのはこの段階なのではないかと思います。
・第二段階「自己主導型知性」
自分なりの考え方を持ち周りの状況や環境を踏まえつつ、自律的に仕事を進めていける状態です。考え方を確立してはいるものの、時代の流れや変化に対応したり、視点を変えたりする能力には限界があります。
一定の価値基準を持っていて、自分なりの視点で動ける人ですね。
・第三段階「自己変容型知性」
自分の価値・判断基準を確立しながらも、時代の流れや周りの意見などに柔軟に対応し、必要に応じて自らの考えを修正できる段階です。優れたリーダーに必要な資質です。
自分の価値基準に固執しないで客観的視点で変化し続けることができ、矛盾を受け入れる度量を持っている人ですね。アイネックスには該当する人がたくさんいる気がします。
さて、あなたは自分自身が今どの段階にいると思いましたか。私はこの理論を知ることで、自分の足らないところを見つめ直すよいきっかけになりました。内省することで、常に成長していきたいものです。
A.S
2022/08/26