現実の危機と想像した危機
私は産業カウンセラーの資格を持っているのですが、
久しぶりに勉強していた当時の教科書を見返していて、
初めて読んだ時に、とても印象に残ったエピソードを改めて思い出しました。
体の仕組みとこころとの関連について記述した部分です。
①人は、大型の野獣に遭遇するような生命の危機を認知すると、
戦ったり、逃げる準備のため、交感神経系が興奮し、アドレナリンが放出され、心身が緊張する。
②上記のような心身の緊張は、当然心身に過度の消耗をもたらし、長時間このような常態が続くことは、
内分泌系や、免疫系に悪影響を及ぼす。
③このような体の仕組みは、現実の危機(実際に野獣に遭遇するような事態)と、
想像した危機(映画や夢や想像しただけの脅威、試験に失敗するのではないかという緊張等)
を判別できず、体は同じ反応をしてしまう。
④現代では、現実の危機よりも、想像上の危機のほうがはるかに多く、
心配性や取り越し苦労の人、完全主義的傾向の強い人などは、
常に想像上の脅威をこころに作り出しているとも考えられる。
当時読んだ時には、今は本当に命の危険を感じるときなんてほぼないのに、
心配しただけで命の危険を感じた時と同じように心身が消耗するなんて、
なんか損。と思ったことを覚えています。
幸い、仕事に失敗しても、嫌な思いをしても、今の日本で死ぬようなことは
現実にはありませんので、ある程度、「これで死ぬわけじゃないし。」と開き直ってしまうことも、
大切なのかもしれません。
最後に、各個人が日常のストレスにどのように対処し予防するか、
というセルフケアが大切ですよ。という内容でしたが、
厚生労働省が運営している、「こころの耳」というサイトでは、
5分程度で自分のストレスのセルフチェックを受けることができます。
一度ご自分のストレス状態をチェックされてはいかがでしょうか。
厚生労働省 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
こころの耳
Y・М
2022/08/24
- 人事・労務