個人の資産形成と節税
早いものでもう12月に入ろうとしています。
今年もあっという間に1年が終わってしまうなぁという気持ちもありますが、
これかれ年末にかけて、年末調整の時期に差し掛かります。
この時期には、色々なお客様から生命保険の控除証明やIDECOの証明書が届きます。
そこで、今回は、個人での資産形成や節税についてお話したいと思います。
【生命保険】
生命保険の積立で多いのは、学資保険や養老保険、個人年金といったものがあります。
また、円建て以外に、主に米国やオーストラリアの国債をベースに運用する外貨建ての保険もあります。
■税制面について
支払った額に応じて一定額の所得控除を受けることができます。
(介護医療保険も含めて最大12万円の所得控除)
■利回りについて
生命保険商品の利回りは、日本の長期金利をベースとされますが、現在の超低金利下に
おいては、円建て商品は利回りが高いとはいいがたい状況となっています。
そのため、投資先を米国やオーストラリアとする外貨建て保険の販売も増えています。
(コロナの影響でこれらの国の金利もかなり下がりましたが)
外貨建て保険は、単純な利回りのほかに、為替の影響やその国の金利に影響されること
がありますので、解約時の状況に応じて増えることもあれば減ることもあります。
【IDECO】
個人型確定拠出年金と言われるものです。
老後の資産形成のための国の制度で、毎月決まった金額を投資信託や定期預金などに
拠出していくという国の制度になります。
■税制面について
次の3つの税制優遇措置があります。
①掛金拠出時には、支払った金額全額が所得控除となる。
②定期預金の利息や投資信託の運用益にかかる税金(20.315%)が非課税になります。
③受取時に、受け取り方法(一括か分割か)によって税制が変わりますが、一括受取の場合は、
退職所得扱いとなり他の所得に比べるとかなり大きな税制優遇措置があります。
なお、分割受取時は雑所得扱いとなり、一定の控除があります。
■利回りについて
基本的に、どの商品で運用するかにより変わります。
定期預金であれば利回りは期待できず、所得控除のみとなりますが、投資対象を投資信託にすれば、
運用成果次第では生命保険や定期預金と比較して高い利回りを実現することもあります。
【積立NISAについて】
一定の投資信託を毎年積み立てることで、その運用益が非課税となる制度です。
■税制面について
上述のとおり、毎年40万までであれば、その投資信託に係る運用益に対する
税金(20.315%)が非課税となります。※IDECOの税制優遇措置の一つです。
■利回りについて
投資対象が投資信託になりますので、運用成果次第では生命保険や定期預金と比較して高い利回りを
実現することもあります。
その他、ふるさと納税を上手に利用して返礼品をお得にもらったり、楽天ポイントやTポイントなどのポイ活を
うまく合わせることで、節約ができるかと思います。
少子化が進む中、政府も自助努力による老後資金の積み立て対策としてNISAやIDECOといった
税制優遇措置を講じています。
自分に合ったものを上手く活用して、しっかりと資産形成していくことが重要と思います。
アイネックス税理士法人 嶋村
2021/11/29
- スタッフの雑談