「具体⇄抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問
「具体⇄抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問
細谷功 著
今回、私が紹介する書籍は細谷 功著の「具体⇄抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問です。著者の細谷功氏は東京大学工学部原子力工学科卒業後、東芝で技術者として勤務の後、アーンスト&ヤング・コンサルティング等で欧米系コンサルティング経験を経て、2012年よりクニエコンラルティングフェローで製造業を中心に製品開発、マーケティング、営業、生産等の領域の戦略策定、業務改革プランの策定・実行・定量化、プロジェクト管理、ERP等のシステム導入及びM&A後の企業統合等を手掛けられた方です。
『問題解決の3パターン』
①具体→具体の問題解決(表面的問題解決)
言われた通りに何も考えずに「そのまま対応する」というパターンで、顧客から「値段が高い」と言われたので値下げするといったことである。また前例通りにやる、過去の成功体験をそのまま当てはめるといった言動もこれに相当する。
②抽象→抽象の問題解決(机上の問題解決)
空虚な一般論のみというパターン。顧客ニーズの把握ができていないので、適宜迅速に対応策を強化していきたいといったような精神論もこれに当たる。
③具体→抽象→具体の問題解決(根本的問題解決)
まずは現実の事象を具体的に捉え、それを一度抽象化して根本的課題を追求した後に、その解決策を実践に導くために再度具体化するという、具体と抽象の行き来による問題解決パターン。
抽象化と具体化という形で発想するということは、「すべての事象がつながっていて同じ構図でできているので、その個別の特性を考えて一般化と特殊化を考慮して考える」ということで、人間の知的能力をフルに発揮して実践に活かすために必須のことと言える。
『具体と中小の領域を認識する』
問題解決は大きく二つに分けることが出来ます。
①そもそも問題は何なのか
問題発見に必要なのは、様々な具体的事象から本質的な課題を抽象化して抽出することである。
②その問題をどうやって解決するのか
一度定義された問題を具体的な製品やサービスなどに落とし込んで問う。
問題発見と問題解決では、向かう方向が180度異なります。同じ土俵で議論するのではなく今対象にしているのが、どちらの領域なのかを適切な判断を行えば問題化につながることを教えています。
今まさに置かれている問題を解決するために一緒に考え実行するためのサポートをさせて頂ければと思っています。
アイネックス税理士法人 西口
2020/10/15
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