人が集まる自動車学校のすごいカイゼン
『人が集まる自動車学校のすごいカイゼン』
今回、ご紹介するのは近年売上減少、指導員の高齢化などが問題となる自動車学校という業種において、
売上を10年間で45%アップ、20代社員率40%アップ(平均年齢35歳)という実績を残した自動車学校の経営改善の本です。
今回、本書の中では「経営計画書」、「環境整備」、「経営計画書発表会」を軸に人が集まり、定着するために
なにをすべきかについて書かれています。
その中でも私が一番興味深いと思った言葉は「社員に読んでもらえない計画書はゴミと同じ」という言葉です。
なかなか厳しい言葉だと思うのと同時に共感するところがありました。
著者の藤井康弘さんは、「経営計画書は魔法の書。なぜなら、書いたその通りになるからという言葉があるが、そもそも誰も
読まなければ魔法にすらかからない」と述べられています。
実際、藤井さんは当初112ページの経営計画書を作成し、自動車学校の社員に配布したそうです。
しかし、結果は業績は全く振るわず、翌年は内容を簡潔にまとめ32ページ減らしたところ、業績がアップしたそうで
す。
経営計画書の目的は、トップがブレなくなるためであり、それと同時にそのトップが示した方向や方針を社員全員が
共有し、同じ方向にベクトルを揃えていくためのものです。
そのためには、社員全員が読んでくれなければ意味がありません。
読んでもらえなければせっかく作った経営計画書は、文字が印字してあるだけのゴミ同然になってしまうのです。
そのためには、まずは何を主軸とするのか、社員に理解・実行してもらうにはどのような内容・書き方がいいのか、
それが定着するまで何度も根気強く説明をする。
そうしたひとつひとつの積み重ねが大きな「カイゼン」となるのでないでしょうか。
2021/05/24
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