ビジネス教養としてのアート
今回、私が紹介する本は「ビジネス教養としてのアート」という本です。
日本で暮らす私たちにとって、ビジネスとアートが結びつく感覚はあまり無いかもしれませんが、欧米のビジネススクールではアートに関する講義が行われており、世界のビジネスエリートにはアートセンスを鍛えることが最も必要な教養の一つと認識されています。
世界の美術品市場規模は推計641億ドル(約6兆7500億円。2019年)とされ、史上最高額で落札された絵画(レオナルド・ダ・ヴィンチの「サルバトール・ムンディ」)の落札額は4億5030万ドル(約504億円)です。
世界一有名な”落書き師” バンクシーの絵画の一つは、約13億円で落札されており、最近話題となりました。
なぜアート作品の価格が青天井に上昇してしまうのか。
アートは車やスマートフォンとは異なり、株価のように社会の状況や市場の動静によってその価値は常に変動していきます。
ただ、株価とアートが異なる点として、アートは一点ものであるという特性があります。
例えば、ある大富豪がフェルメールの作品を全て集めて美術館を造りたいと考えても、フェルメールの作品はそもそも世界に30点ほどしか存在しません。
つまり現存しているその30点の作品に世界中の需要と富が集中するため、アートの価値はその希少性に基づいて天井知らずに上昇していくという原理が働いています。
この本では、アートと経済だけでなく、歴史・思想・テクノロジー・技法とのそれぞれの関係や、常識+αの教養がまとめられています。
最近は新型コロナウイルスの影響で、美術館や博物館へ行くことも容易ではなくなりましたが、こちらの本を通じて自宅にてアートを鑑賞しつつ教養を深めてみてはいかがでしょうか。
アイネックス税理士法人 石垣
2020/11/16
- 読書発表・本紹介