会計事務所に求められること クリニック編
会計事務所に求められること ~クリニック~
当社では一般企業もたくさん顧問としてご支援させていただいておりますが、医療機関についても新規開業時からご支援させていただくことも多いです。
今年は、春までに4件、秋に3件、2020年もクリニックの新規開業の支援が無事に終わりました。
最近、ニュースでも病院、医療機関が患者激減で経営困難!など情報ありますが、半分その通りで、開業はできてもこれからコロナの影響でいい意味でも感染症が減ることで想定される患者減に対して我々、会計事務所が今後、何ができるのか?何を求められているか?について、今日は書けたらと思います。
また、次回、これから新規開業を検討されている先生に向けても書きたいと思います。
最近、先生方と日々お話をさせていただいている中で、私が思う、今、特に会計事務所に求められていることは大きく以下の4つかと思っています。
①人事労務関係
②助成金や補助金の最新情報の提供
③診療報酬など医療を取り巻く情勢についての情報提供
④資金繰り(融資)
会計税務は?
一昔前であれば、資金繰りに困るクリニックなどほぼなく、一番に求められるのは『節税』や『医療法人成りの提案』、『相続対策』など会計税務についてが多かったですが、最近は、訪問したら会計の報告はいいから、『人事労務』について相談にのってほしいというケースが一番多いです。
節税対策など医療機関は特に国からの締め付けもきつく、どこの会計事務所もできる節税対策は決まっており、差がないのが実情かと思っています。
まず、①の人事労務について
相談として多いのが、いいスタッフが採用できない。勤務を減らしたい、辞めさせたいスタッフがいるなど採用・解雇についてです。
相談を受けてまず私は『スタッフさんへの感謝』の確認から始まります。
このコロナ禍でも、コロナ禍だからこそ、スタッフさんへの感謝は忘れないでほしいです。
スタッフさんへの感謝がしっかりできているところは総じて先生や奥様とスタッフさんに信頼関係があり、退職率も少ないです。これは一般企業にも言えることだと思います。
当然、問題のあるスタッフさんも一定数いますので、雇用契約書の設計の仕方は非常に重要です。
また、雇用の仕方によりキャリアアップ助成金で数十万円/人の補助などありますので、社労士じゃないから知りませんでは済まないご時世になっています。
積極的にもらえるものはもらうスタンスで情報提供は必要だと思っています。
次に、②③の補助金や診療報酬などの最新情報について
コロナによる医療機関への支援として、慰労金(1人5万円)や事業支援補助金(無床診療所100万円)など色々とでております。
ただ、高齢の先生方は手続きするだけでも一苦労といったことも多く、今後も補助金についてはウォッチしていち早く情報提供し、申請についても手助けすることが重要だと思います。
また、昨今、診療報酬についても目まぐるしく改正があり、在宅の細かい点数や、コロナ禍においては『院内トリアージ』『オンライン診療』など、支援できる人が少ないのが実情で、
この分野についても、医療に特化した会計事務所は最新情報をいち早く情報提供できる必要があると考え、日々、情報収集に励んでおります。
次に、④の資金繰りについて
これは開業間もないクリニックで運転資金が予想以上に早く減り、資金が枯渇しそうな場合や患者が減ってきているにもかかわらず人件費がそのままずっと維持されているなど、ケースは様々です。
増患対策はもちろんのこと、一番お金の事情がわかっている会計事務所が、資金計画を作成・見直し、コロナ禍での制度融資をうまく活用するなどして安全な経営ができるよう支援が必要であると思います。
最後になりましたが、コロナ禍で国からの少ない支援の中、色んな不安があるにもかかわらず頑張ってくださっている先生方には大変感謝しております。
できる限り、お金の面、労務の面など問題を減らし、先生方が診療に集中できるよう、ご支援をしたいと思っております。
2020/09/07
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