筋のいい仮説を生む問題解決の「地図」と「武器」
筋のいい仮説を生む問題解決の「地図」と「武器」 著書:高松康平
本書では、マッキンゼーなどを経験し、現在は「BBT問題解決力トレーニング」の講座責任者をしている、高松氏が、ビジネス現場における「考える力(問題解決力)」をテーマとして書かれている本です。
「同じことをぐるぐると考えていませんか?」
冒頭この投げかけよりスタートします。
誰もが経験があると思いますが、考えているけど答えが出ない、いくら時間をかけても物事が前に進まない、という事はよくあると思います。
こちらは、本文では、思考が「迷子」になっているという表現をされています。
この迷子から脱却するための「地図」と「武器」が必要であり、それを問題解決マップとして7つのステップで分かりやすく、かつ具体的事例を交えて解説されています。
「問題解決マップ」
- 1.現状分析
- こだわりを持って分ける
- 2.問題認識
- イライラ・キラキラを探す
- 3.情報収集
- 事業部長の視点
- 4.課題抽出
- 多くの情報をまとめる
- 5.解決策の方向性
- 4つの戦略論
- 6.アイデア創出
- 思いつきのアイデアを進化させる
- 7.評価
- 冷静に選ぶ
特に私が印象的だったのは、「3.情報収集」の章にある、筋の良い仮説を立てるというくだりです。
問題解決を図っていく中で、問題に対する様々な仮説を立てる必要がありますが、その中で筆者は次のように述べています。
「世の中には、様々な会社や業界が存在しているが、ビジネスの流れには共通項がある。その共通項を理解することが、自分のビジネスで起きている現状の背景には、こういう事が起きているのではないかと仮説を立てることができる」
どのような事業でもビジネスには一定のルールや法則があるので、それを理解し、自身のビジネスもそのルールや法則に基づき俯瞰的に見ることができれば、今まで経験をした事がないような事柄でも柔軟に対応ができる、という理解をしました。
当社でも、様々な事業のお客様がおられ、その問題解決のお手伝いをさせて頂いております。事業や業種それぞれの研究や経験をする事も大事かもしれませんが、そもそものビジネスの本質を理解することに努める事が、問題の本質を掴む近道ではないかと思いました。
本書について高松氏は、若手よりビジネスリーダーに読んでもらいたいと書かれていますが、若手の方が読まれても理解できる分かりやすい内容でしたし、いち早く経営者のブレーンとなりたい若手の方こそ、読んでもらい、現場レベルで活用できるのではないかと思いました。
新井 皓亮
2020/08/03
- 読書発表・本紹介