天才を殺す凡人
天才を殺す凡人
著:北野唯我
「自分の才能を見極め、伸ばす」
これが大切だとは分かっていても、こんな難しいことはありません。
本書では、人間のタイプを3つに分け、世界に新しいものが拡大していく仕組みや、
大企業がイノベーションを起こせなくなる理由などを分かり易く解説してくれます。
①天才・・・「創造性」
独創的な考えや着眼点を持ち、人々が思いつかないようなプロセスで物事を進められる人
②秀才・・・「再現性」(=論理性)
論理的に物事を考え、システムや数字、秩序を大切にし、堅実に物事を進められる人
③凡人・・・「共感性」
感情やその場の空気を敏感に読み、相手の反応を予測しながら動ける人
通常の、あなたはどのタイプ?の本と違うのは、著者が①②③の、
人数差に着目しているところです。
例えば、革新的な新しいサービスが、世界に広まりそれが標準になるまでは、
①天才が誰も思いつかなかった新しいサービスを思いつく。
※天才は創造性に生きているので、言語化やシステム化は苦手
②秀才が、持ち前の優秀さで天才にくらいつき、天才の思いつきに再現性をもたらす。
③凡人が、共感性(好きか、嫌いか)で世界に広める。
という流をたどりますが、数の上で凡人>>>>>>>>>天才のため、
凡人は、世の中に出る前の天才を認知できず、世界に広まる前に、
「多数決」という凡人の最大の武器を使って、天才を殺してしまう。
というものです。
確かにスティーブ・ジョブスも会社を追い出されたりしていたな。
など、世界に革新をもたらす前に、凡人に殺されそうになった天才。
は沢山思い当たります。
本書はストーリー形式で書かれており、上記の「世界の仕組み」を教えてくれるのは、
忠犬ハチ公が姿を変えた、犬の「ケン」
CTO・・・Chief Talent Officer(チーフ・タレント・オフィサー)
全ての才能を司る者
です。
読み物としてもとても面白いですし、
今までとは違った視点を得られたような気がしました。
Y.M
2020/07/08
- 読書発表・本紹介