ズラシ戦略
ズラシ戦略
著者:並木裕太
本書で並木氏は「新規事業は顧客をずらせばうまくいく」と唱えています。いわゆる、アンゾフのマトリクスにおける「市場開拓」です。
この市場開拓をどのようなプロセスで進めて行けばいいのかをケーススタディも交えて紹介しているのが本書です。
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「事業」=「課題」×「解決策」
激しく変化する今の時代においては「課題」「解決策」両方に変化が起こります。この中で次の2つのパターンが新規事業の対象となるとしています。
- 1.既存の課題に対して(技術革新などにより)新たな解決策を提供できるようになった
- 2.新たな課題が発生し解決策が求められている
しかしながら、これは社外(マーケット側)から成功事例を見た場合に、この2つに分類できるということであり、この構造化を常に意識すべきとしながらも、社内で検討する際には別のアプローチを提示しています。
『新規事業を見つけ、成功させるポイント』
社内側の視点で言い換えると
- 1.同じ事業領域で異なるスキルを獲得するパターン
- 2.事業領域を変えて既存スキルを提供するパターン
に分類でき、
- 1.自社が活動している産業に新たな課題はないか
- 2.自社のスキルがはなる産業はないか
というシンプルな検討が可能になります。
『自社で新規事業を検討するノウハウ』
具体的な検討の進め方として次の4つのステップが提示されています。
- 1.自社が同業他社と比べて優れているスキルやアセットのリストアップ
- 2.リストアップした自社の誇れる強みを活用できる業界を見つける
- 3.ずらし先の業界で、そのスキルやアセットに優位性があるかのチェック
- 4.実行できる社内の体制を整える
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アイネックス税理士法人では中期経営計画の策定支援を行っておりますが、この中で自社分析を行う時間があります。数値化できない自社の強み・弱みを「見える化」することで、新規事業検討ステップ1「スキル・アセットのリストアップ」ができます。
コロナ禍で「何か新しいことをやらなくては」とお考えの経営者様は多いと思います。
中期経営計画を策定し、その青写真をより具体的な計画・目標にしてみませんか?
頭の中で考えているだけではなく、目標として掲げることが実現・達成への第一歩です。
アイネックス税理士法人 松山
2020/07/04
- 読書発表・本紹介