何度でも食べたい。 『 あんこの本 』
甘いあんこが庶民に広まったのはいつ頃かご存知ですか?
とその前に、甘いあんこをつくるのに欠かせない砂糖について。
【著 者】姜 尚美
【発行所】文春文庫
【初 版】2018年3月10日
鎖国体制下の17世紀初め、砂糖をハンパない量、ハンパない値段で輸入していた日本。
なんでもポルトガル商人が、
・中国の砂糖で仕入れ値の2~4倍
・マカオの白砂糖で仕入れ値の10~20倍!の値段をつけても日本には売れたというのですから。
あのモンテスキューが、著作「法の精神」で「日本は尋常でない高値で砂糖を買っている」、
と書いているとか。
やがて資金源である国産の銀が底をつき、江戸幕府八代将軍、徳川吉宗が立ち上がります。
享保の改革において、国を挙げて砂糖の事業を奨励。
砂糖の国産化を成し遂げたのです。
なんと和三盆糖まで誕生!
そのお陰で、江戸時代後期には庶民に爆発的に甘いあんこが広まりました。
あんこの原料となる小豆ですが、実は世界の豆類のなかでもマイナー存在。
伝統的に流通・食用までしているのは、
中国、韓国、台湾、日本 の4か国ほどだとか。
そんなあんこですが、このコロナ禍の在宅テレワークにもぴったりのおやつなんです。
脳の重さは体重のたった2%
体を動かしていなくてもその脳が消費するエネルギーは、
なんと体全他の20%(特に机に向かって頭を使っている受験生!!!)
▶▶脳のエネルギーとなれるのはブドウ糖だけ。そのブドウ糖がエネルギーとして燃焼するには小豆に豊富に含まれている
ビタミンB1が必要。だから甘いあんこは脳にとって即効性のエネルギーなんですッ!!!
と、巻末 あんこの栞 には、あんこにまつわる色々なお話がのっているこの本。
京都出身の姜 尚美さんが、全国36軒のあんこのお店を写真付きで紹介しています。
緊急事態宣言が解除された今、コロナ禍ニモマケズ、暑サニモマケズ
お店の皆さんが今日もあんこづくりに精をだしていらっしゃるのか、訪ね歩いてみたい。
まずは近場の京都から、そんな気持ちになりました。
アイネックス税理士法人
黒田 照子
2020/06/05
- 読書発表・本紹介