『社長、経営はぜんぶ「逆算」でやりましょう』
今回、私がご紹介させて頂く書籍は、岩永經世著『社長、経営はぜんぶ「逆算」でやりましょう』です。
著者の岩永氏は、長崎県の税理士でMAS監査の第一人者と呼ばれている方です。
このMAS監査ですが、(MASとは、マネージメント・アドバイザリー・サービスの略。)
中期や単年度経営計画を基軸とした経営サイクル(PDCA)の確立と運営を支援し、
目標達成できる経営体質づくりへ導くためのサービスのことです。
著者は冒頭で、『いま、中小企業は時代の大変革期(パラダイムシフトの時代)の
真っただ中にいます。新たな成長戦略を描くためには、「自己革新」が不可欠であり、
それを実現する唯一の手段は「未来会計」(「逆算」による経営)を導入することです。』
と述べられております。
そして、本書の中で、「未来会計」を導入して、経営計画を作成してその計画を達成するための
アクションプランを実行していく方法が、実際の事例を交えて分りやすく解説されています。
本書の中で、一番共感したのが、『「あるべき姿」を描くだけで強くなれる。』
の一節です。
「もはや同業他社は敵ではない」として、自己革新(イノベーション)を繰り返せば、
新たな成長戦略(市場)を必ず獲得できるとし、同業他社や競合商品ではなく、過去や現在の
自分と差別化を図るべき。と述べられております。
そして、どうやって差別化を図っていくかについては、「3年後、5年後にはこうありたい」という
ビジョンを明確にすることで「現状」との「差」をしっかりととらえ、その差を埋めるための経営計画
を作成・実行すれば、企業は変わること(自己革新)ができるとし、成長戦略ストーリーの「ゴール」を明確
にして、そのゴールから逆算すれば、「やるべきこと」がはっきりと見えてくる。と述べられております。
私も、これまで担当させて頂いてるお客様の経営計画の作成を幾つもお手伝いさせて頂きましたが、
「3年後、5年後にはこうありたい」というビジョンを強く思われていればいるほど、計画の
達成の確度が高まると実感しております。
先ずは一度、自社のあるべき姿を描いてみませんか?
アイネックス税理士法人
山本 高義
2017/08/16
- 読書発表・本紹介