非上場株式の相続税評価額が80%減に!?
10月16日に政府税制調査会で、オーナー経営者が子供に中小企業を継がせる際の相続税負担を軽減する事業承継税制などについて議論されました。
◆相続税評価額が80%減!?
現行の税制では、中小企業のオーナー経営者が死亡し、子供が会社を引継ぐ場合には、400平方メートルまでの事業用宅地については相続税評価額が80%軽減されますが、非上場株式については10%の軽減しか認められていません。
これに対し、非上場株式の相続税評価額についても一定の要件を満たす場合には80%の軽減がなされるよう議論されました。
【一定の要件とは】
・事業承継者が一定期間(5年又は7年),相続した株式を保有し、経営従事を継続する
・従業員の8割以上を雇い続ける
・経済産業大臣に対して一定期間毎年,事業継続の状況についての報告書類を提出する
等があげられています。
事業承継制の拡充が焦点となっている背景には、年間29万社が廃業する中,後継者不在によるものが7万社,それに伴った雇用の喪失が毎年20万から35万人に上ることから、これらを改善し地域活性化につなげる狙いがあげられています。
福田康夫首相も今国会の代表質問で「事業承継の円滑化を強力に推進する」と強調しており、与党の連立政権合意にも事業承継対策が盛り込まれていることから、本案は実現される可能性が高いと思われます。
法案の詳細が未確定ですが、中小企業にとっては有益な税制改正であることは間違いなさそうです。事業承継対策を検討する際には、この法案の動向が重要になりそうです。
2007/10/23
- 事業承継