〜平成19年税制改正による減価償却について(続編)〜
以前にお伝えしたとおり、平成19年税制改正に伴い、減価償却制度も改正されることとなります。
【参照】
今回は、下記の事項につき、さらにより具体的な例示を交え、ご紹介します。
・減価償却費の計算
・固定資産税の計算
■減価償却費の計算
(1) 残存価額の廃止(10%)
(2) 償却可能限度額(95%)の撤廃
具体的には・・・
例)償却資産 取得価額100万円 償却率・・・定額法 0.10、 定率法 0.206
●計算方法
【固定資産を取得年月日によって分類】
(1) 平成19年3月31日以前に取得した資産
★定額法・・・取得価額×0.9×償却率 →ⅹ事業年度より均等償却
★定率法・・・期首簿価×償却率 →ⅹ事業年度より均等償却
・?事業年度・・・償却可能限度額(95%)まで償却した事業年度の翌事業年度
・均等償却・・・5年間で均等償却します。
例)上記資産:平成19年4月1日時点の残存価額10万円とします。
平成19年減価償却費 5万円 →?事業年度=平成20年
平成20年〜23年:
各年度の減価償却費は 10,000円 (50,000÷5年)
平成24年の減価償却費は 9,999円 (備忘価額 1円残します。)
(2) 平成19年4月1日以降に取得した資産
★定額法・・・取得価額×償却率
★定率法・・・期首簿価×(定額法償却率×250%) →?事業年度より定額法償却
例)上記固定資産の定率法償却率は 0.10×250%=0.250 となります。
・ⅹ事業年度(特定事業年度)・・・
期首簿価/(法定耐用年数ー経過年数)・・・A
期首簿価×償却率・・・B
A>Bとなる事業年度です。
例)上記資産 3年目の場合
期首簿価 562,500
A 562,500/(10年-2年)=70,312 < B 140,625⇒定率法で償却
上記資産 8年目
期首簿価
A 100,102/(10−2年)=50,056 > B 33,370⇒ 定額法に切替
※特定事業年度
政省令等で「速算表」その他が明らかにされる模様です。
以下特定事業年度のシュミレーションです。
耐用年数
5年以下・・・ 最終事業年度
6年 ・・・ 5年目
8年 ・・・ 6年目
10年 ・・・ 8年目
15年 ・・・ 10年目
20年 ・・・ 14年目
■固定資産税の計算
現行の評価方法が維持されます。減価率、評価額の最低限度(5%)は現行のものが維持されます。
つまり、平成19年4月1日以後に取得した償却資産の定率法での減価率は、上記例では、0.206を適用します。(定額法×250%ではありません。)
2007/03/10
- 法人税