損か得か?土地建物等の譲渡所得課税改正
損か得か?とあるように、迷惑な改正とありがたい改正が同時に施行されました。
「年金改正」などのようにマスコミに大きく取り上げられていないものの、税負担への影響は意外に大きそうです。
税負担が増える?損益通算の廃止
平成16年1月1日以降の譲渡から、土地建物等の譲渡所得損失が他の所得と損益通算出来なくなりました。
たとえば、バブル期に購入した土地は、地価下落などによる含み損を抱えている場合が多いと思われます。今までならば、そういった土地を売却したときの損失は、他の所得と相殺することが出来ました。
ところが、この改正により、相殺することができなくなったため、その損失は置き去りになってしまうのです!!
税負担が減る?税率の変更
では、このような不利な改正がどうしてされたのでしょうか?
実をいうとこの改正は、税率が以下のように変更されたことに起因します。
改正前 改正後
長期譲渡(所有期間5年超) : 26% ⇒ 20% (住民税含む)
短期譲渡(所有期間5年以下): 52% ⇒ 39% ( 〃 )
土地や建物を譲渡して利益が生ずる人にとっては大変ありがたい改正です。これは、土地や建物を譲渡したときの税率を、株式等を譲渡したとき並みに引き下げたものです。
しかし!同時に株式等の譲渡並みに損益通算もできなくなりました。
売る物件によって、喜ぶ人と、残念がる人に分かれそうですが、地価下落の続く昨今では、残念がる人の方が多いのかもしれません。
居住用の不動産譲渡への影響は?
居住用不動産については、適用要件がありますが、引き続き損益通算をすることができます。
しかし、この要件を満たすかどうかは、税務署等で事前にご確認ください。
2004/05/06
- 譲渡所得