「10.その他」の記事一覧
⇒ 「書面添付」とは、簡単に言うと「税理士が会社の決算の内容を説明した文章(=書面を、決算書につけて(=添付)税務署に提出すること」です。
※ ただし、次のような事務所は書面添付をすることができませんので、ご注意ください。
・売上の繰延や除外、架空経費の計上、個人的な経費の混入、粉飾決算を行っている
・会計資料の保管状況が悪い、記帳状況を改善する必要がある 等
書面添付制度の目的は、申告書の信頼性を高め、調査を簡略・省略することにより、税務行政を円滑化し納税者の精神的負担を緩和することです。
②第三者に対する申告書の信頼性がアップします
税務署・・・・・正しい申告は税務署からの高い信頼を獲得します。
金融機関・・・経営内容の適正開示は融資担当者からの信頼を獲得します。
取引先・・・・・健全な経営内容は取引先の安全性確保と信用供与に不可欠です。
株式会社が株主に対して通知又は催告を行っているにもかかわらず5年以上継続して到達せず、かつ、その株主が5年間剰余金の配当を受領しなかった場合の株式を所在不明株式いいます。(会社法197条1項)
所在不明株式は、競売や市場売却もしくは買取りにより処分することになりますが、この場合の株式会社及び株主の課税上の取扱は以下のようになります。
①競売や市場売却の場合...株式の売却価格は預り金として計上します。
②買取りの場合...資本金等の額及び利益積立金を減少し、買取代金を未払金として計上します。
いずれにせよ所在不明株式はそもそも所在不明株主のものであり、競売等は代理で行ったに過ぎないので課税所得は発生しないのです。
その後においては、債務の消滅時効が成立した際には預り金や未払金を雑収入として処理することになります。消滅時効の成立は10年間行使されないことにより生じることになります。(民法167条1項)
①競売や市場売却の場合...譲渡所得となります。
②買取りの場合...①と同様に譲渡所得となります。ただし、交付を受けた金銭の額等
が会社の資本金等の額等のうち当該株式に対応する部分の金額を
超える部分の金額はみなし配当として配当所得となります。
なお、譲渡所得やみなし配当所得の収入に計上すべき時期は、競売等の日や会社による株式の取得日となります。
①競売や市場売却の場合...譲渡利益や譲渡損失額を益金または損金に算入します。
②買取りの場合...譲渡利益や譲渡損失額を益金又は損金に算入します。交付を受けた
金銭の額等が資本会社の資本金等の額等のうち当該株式に対応する
部分の金額を超える部分の金額はみなし配当とします。
これらについては、競売等が行われた日もしくは買取りが行われた日の属する事業年度の譲渡損益とします。
次回の予告
今回は所在不明株式について紹介させて頂きました。
次回は、エネルギー需給構造改革推進投資促進税制(エネ革命税制)についてします。
以上
景気下ブレが本格化する中で、企業再生税制がさらに使い易いものとなるよう平成21年法改正が行われました。企業を再建してゆく過程で受けた債務免除益等にストレートに課税されないで済むような特例を定めています。
一、会社更生法・民事再生法を使った企業再生
1.従来からの内容
債権者から債務免除をうけた場合、会計上は債務免除益が計上されます。このように資産の評価替えをした場合、法人税法は原則として評価損益の益金算入・損金算入を認めていません。しかし、会社更生法・民事再生法を使って企業再生をする場合には、例外的に債務免除益が益金に算入され、資産の評価損も損金に算入されます。その結果、企業再生を目指す会社は、債務免除益と資産の評価損を相殺することにより、債務免除益等に対する課税を回避することができます。
2.今回の改正点
H21年度改正により、評価損を損金算入できる「資産」に売掛金・貸付金等の債権も含まれることとなったため(法33条2項)、従来よりもさらに債務免除益等に対する課税回避を行いやすくなりました。
二、法的整理に準ずる私的整理を使った企業再生
1.従来からの内容
会社更生法・民事再生法といった法的手続きを取ることによって"事実上の倒産"という烙印を押されることを避けるために私的整理で会社を再建したいという場合もあります。そのような場合について定めたのが「その他これに準ずる政令で定める事実が生じた場合」です(法25条3項・33条3項、法令24条の二)。
2.今回の改正点
しかし、実際にはこの適用要件が厳しすぎたため、今回の改正で適用要件が緩和されました(法令24条の二)。
① 第三セクターの再建を進めやすくするために、債務免除者に地方公共団体が加えられました。
② 債権者側で直接の債権放棄をすることが難しい場面での企業再建をしやすくするために、DES(債務の株式化)を行った場合も「債務免除等」に含まれることになりました。
③ 中小規模の企業再建を促進するために、専門家関与要件が3名から2名へ緩和されました。
④ さらに、中小規模の企業再建を促進するために、評価損益の計上対象資産にかかる評価差額の最低限度額を1,000万円としている点について、これを100万円とする特例が創設されました。
国税庁は、『上場有価証券の評価損に関するQ&A』を公表しました。これにより、上場有価証券の時価が帳簿価額に比べて50%以上下落し会計上減損処理が行われた場合、税務上その評価損を損金算入するに当たっての取扱いの明確化が図られました。
Ⅰ株価が50%相当額を下回る場合における株価の回復可能性の判断基準
Q 株価が過去2年間にわたり50%程度以上下落した状況でなければ、上場株式の評価損を損金算入することは認められないのでしょうか?
A 必ずしも株価が過去2年間にわたり帳簿価額の50%程度以上下落した状態でなければ損金算入が認められないというものではありません。株価の回復可能性がないことについて合理的な判断基準が示される限りにおいては、その基準が尊重されることとなります。
Ⅱ 監査法人のチェックを受けて継続的に使用される形式的な判断基準
Q 税効果会計等の観点から当社の監査を担当する監査法人のチェックを受けながら、この基準を継続的に使用する予定です。この基準に基づいて損金算入することとした場合、税務上その基準に基づく損金算入の判断は合理的なものと認められますか?
A これを継続的に使用するのであれば、税務上その基準に基づく損金算入の判断は合理的なものと認められます。
Ⅲ 株価の回復可能性の判断の時期
Q 翌事業年度で株価が上昇した場合など翌事業年度以降に状況の変化があった場合には、当事業年度に評価損として損金算入した処理を遡って是正する必要がありますか?
A 当事業年度に評価損として損金算入した処理を遡って是正する必要はありません。
Ⅳ 株価の回復可能性の判断基準に該当した場合の評価損否認金の取扱い
Q 過去の事業年度において有税で減損処理した金額のある上場株式について、その後の事業年度において、損金算入できる合理的な判断基準に該当することとなった場合には、損金算入の処理や損金算入される金額についてどのように取り扱えばよいのでしょうか?
A 評価損否認金の額も含めて、その事業年度の損金の額に算入することが認められます。なお、この場合の具体的な取扱いは、次のとおりとなります。
① 評価損否認金の額については、その事業年度において申告調整により損金の額に算入した金額を、評価損として損金経理したものとして取り扱うこととされています。
② 評価損として損金算入の対象となる金額は、その事業年度末における帳簿価額と株価との差額となります。
今回は、突然の資金繰りの悪化に対応すべき方法として
『役員からの借入れ』について紹介します。
(2)借入金のデメリット
①自己資本比率が低下してしまいます。
※④について
借入利率については0%を推奨します。
0%を推奨する理由
①高い利率を設定すると役員給与と認定される可能性があります。
(原則、一般の金融機関の借入利率であれば問題ありません。)
②利率を0%とし、借入時及び返済時は銀行口座を通じて入金、支払を行えば、
契約書を作成しなくていいので収入印紙代を節約することができます。
借入金の返済を放棄すると税務上、債務免除益が計上され課税所得が増加しますので
税務上の繰越欠損金や当事業年度の課税所得の金額を考慮した上で借入金を放棄する
必要があります。
平成20年4月1日開始事業年度より、企業会計上の棚卸資産の評価方法が低価法に一本化されました。
今回は企業会計の改正と税務上の棚卸資産の評価方法に与える影響について説明します。
企業会計では棚卸資産の評価方法が低価法に一本化され、原価法は企業会計上廃止されました。
企業会計上の低価法は
平成20年4月1日以後開始事業年度から仕入原価と正味売却価額を比べ、いずれか低い方が期末棚卸資産の評価額となります。
税法上は原価法・低価法の選択適用が認められています。
税務上の低価法は
仕入原価と期末の時価を比べ、いずれか低い方が期末棚卸資産の評価額となります。( 法令28①二 )
企業会計上の時価である正味売却価額とは
「売価-見積追加製造原価-見積販売直接経費」(会計基準5)によって求められます。
税法上の時価である期末の時価とは
税法上明確な定義が設けられていませんが、一般的には正常な取引条件により第三者間で取引された場合の価額と解釈されています。
従って
「正味売却価額≒税法上の時価」となります。
正味売却価額は企業会計基準にしたがって適正に計算されていれば税法上の時価と原則として一致することになり、
低価法適用による評価損が計上できることとなります。
税法上の時価として正味売却価額を採用する場合、上述のように企業会計基準にしたがって適正に計算されていることが前提となります。
従って税務当局が評価の適正性に疑義を持ち、税法上の時価を是正した場合、申告調整が必要となる点に注意が必要です。
中小企業では原価計算が適正に行なわれていない場合があり、正味売却価額が適正に計算できない場合が考えられます。
また、原価法から低価法へ会計方針を変更する場合、評価方法の変更の承認申請は、新たな評価方法を採用しようとする事業年度開始の日の前日までに行わなければならない点にもご注意下さい。
この秋の臨時国会では債権管理回収業に関する特別措置法(サービサ
ー法)の改正が取上げられ、平成18事業年度中の施行に向けて、審議が
行われるようです。
この改正により、税務上、貸倒による損金計上の要件を満たさない不良
債権について、債権回収業者に売却することで早期に損金計上ができる
こととなりそうです。
サービサー法とは、弁護士しか行うことができない金銭債権の回収業務を、
法務大臣の認可を受けた債権回収会社(サービサー)であれば、行うこと
ができるようにした法律です。
<通常の債権の回収の流れ>
企業が取引先の債権を回収します。
1.債権
←
企業 取引先
→
2.回収
<債権回収会社(サービサー)を通した場合の回収の流れ>
企業は債権回収会社に債権を売却することによって、債権を回収します。
売却したため、売却後の債権者は債権会社となります。
1.債権
→
取引先 企業 債権回収会社 取引先
→ →
2.売却 (3.回収)
今回の改正では、サービサーが取り扱うことのできる特定金銭債権が拡大
となるようで、これまで企業において処理することが困難だった債権も、サービ
サーに売却することが可能となり、企業の貸倒処理にも影響が及ぶことになり
そうです。
取引先等の金銭債権や売掛金の貸倒れ処理については、企業内部で行う
ために、客観性の観点等から、税務上の損金に認められるか否かという点で、
その計上は、リスクの高いものになっていました。
この改正によって、それらの債権をサービサーに売却することが可能となれば、
売却時点で売却損の計上が可能となります。
この売却損はこれまでの貸倒れ処理による見込み損ではなく、実現損となるた
め、これまでより客観性が高いものであり、税務上のリスクが回避されることに
なります。
したがって、これまで企業で売却処理、回収依頼ができなかった債権処理が、
これまでよりも容易となることから、不良債権処理も促進されることとなると見込
まれます。
不良債権処理の税務という点からも、今後のサービサー法の改正動向は注
目していきたいところです。
特殊支配同族会社の業務主宰役員に係る役員給与損金不算入の判定で大きな関心を集めている「基準所得金額」について、その詳細が明らかになりました。
この改正については以前取り扱いました が、
「実質的な一人会社」、即ち「特殊支配同族会社」と判定されても、
(1)基準期間(当期前3年の事業年度)における基準所得金額が年800万円以下である場合
もしくは
(2)800万円超3,000万円以下の場合で、基準期間中の業務主宰役員給与額の平均額(事業年度が12月の場合)が基準所得金額の50%以下
ならば、適用除外となります。
今回はこの「基準所得金額」についてご説明します。
基準所得金額は、「調整所得金額」の合計額から「調整欠損金額」の合計額と「過年度欠損金額の調整控除額」の合計額を控除したものを、基準期間の月数の合計数で除し、12を乗じたものをいいます。
この過年度欠損金額の調整控除額の趣旨は、基準所得の計算を行うにあたっては、本業から生じたものに相当する繰越欠損金の控除は認める一方で、業務主宰役員給与から生じた欠損金額部分だけは控除しないというものです。
調整所得金額には、"繰越欠損金の適用金額"が加算されており、この繰越欠損金額には業務主宰役員給与額以外の繰越欠損金も加わっています。
このため、多少複雑な計算をしなければなりませんが、この過年度欠損金額の調整控除額を控除することにより、業務主宰役員給与が少額でも欠損が生じていた法人にとって、基準所得金額の計算上で、不利にならない考慮がなされています。
平成18年度の税制改正で、同族会社に該当するかどうかの判定に新たな基準が加えられることとなります。
これまでは発行済株式又は出資金額を3人以下の株主等で50%超保有していれば同族会社と判定されていました。
今回新たな基準として、「議決権等」が加えられます。
これは、会社法改正による、種類株式の多様化を想定した改正と考えられます。
同族会社に該当すれば、留保金課税制度や行為計算の否認規定が適用されることとなるため影響は少なくありません。
また、先般掲載している「役員給与の損金不算入」の適用要件にも影響することが明らかになっていることから、注意が必要です。
※役員給与の損金不算入に関する詳細はこちら
http://i-nex.co.jp/headline/2006/03/-18.html
今回の改正では、新たに下記の項目の1つでも3人以下の株主等で50%超有していれば同族会社と判定されることとなります。
(1)事業の全部若しくは重要な部分の譲渡、解散、継続、合併、分割、株式交換、株式移転、又は現物出資に関する決議に係る議決権
(2)役員の選任及び解任に関する決議に係る議決権
(3)役員の報酬、賞与その他の職務執行の対価として会社が供与する財産上の利益に関する事項についての決議に係る議決権
(4)剰余金の配当又は利益の配当に関する決議に係る議決権
下記の例では、持株数、配当権においては上位3人以下で50%以下となるため同族会社に該当しません。
しかし、役員再任権では、上位3人以下で50%超となるため同族会社に該当することとなります。
A B C 他少数株主 (%)
持株数 25 15 10 40 ⇒該当しない
配当権 10 10 10 70 ⇒該当しない
再任権 25 15 15 30 ⇒該当
上記の議決権等の改正では、今年度の税制改正項目のひとつとして、先般より取り上げている「役員給与の損金不算入」の規定にも影響を与えることとなります。
つまり、要件のひとつにあたる「同族関係者が発行済株式の90%以上を所有」の持株割合90%の判定に当たっては、上記の議決権を有する株式の持株割合が90%以上の場合にも特殊支配同族会社と判定されることとなります。
種類株式を発行している会社では、適用の可否については、慎重に判定する必要があります。
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