「09.会社法、医療法 等」の記事一覧
完全支配関係の定義では、「発行済み株式又は『出資』の全部を直接又は間接に保有する関係...」とされていることから、医療法人もグループ法人税制の適用対象となりえます。
しかし、「議決権は有するものの出資金額はゼロ」という社員がいるケースもあり、支配関係の判定を出資だけで行うのかどうか疑問に思われている方もいらっしゃることと思います。
そこで今回は、こうしたケースにおける完全支配関係の判定についてご説明させていただきます。
平成18年5月1日から会社法が施行されています。
会社法の施行にともない、一定の株式会社については、監査役の業務範囲に関して速やかな登記手続が必要となっています。
(1)旧商法
既存の株式会社のうち小会社については、監査役の業務範囲は、会社の財産を監査する「会計監査」に限定されていました。
(2)会社法
中小会社(注)の監査役の業務範囲は、「会計監査」と取締役らの業務執行を監査する「業務監査」の両方になります。
ただし、『非公開会社』は監査役の業務範囲を会計監査に限定するみなし規定がはたらきますので、法令上は定款変更する必要なく会計監査に限定されます。
したがって会社法施行後、監査役の業務範囲が拡大されるのは中小会社の『公開会社』であり、業務範囲は、会計監査だけだったのが会計監査と業務監査の両方になります。
(注)会社法上、中小会社とは大会社以外の株式会社、すなわち資本金5億円未満かつ負債200億円未満の株式会社をいいます。
(1)公開会社の登記手続
公開会社の監査役は、会社法施行日(5月1日)に任期満了というかたちで一旦退任となります。
なぜなら、公開会社の監査役の監査範囲は、自動的に業務監査部分まで拡大されますので、会社法に規定する会計監査に限定する旨の定款の定めを廃止したことになるからです。
そして新たに、会計監査及び業務監査を行う意思と能力のある人を監査役として選任することとされています。選任される監査役は、従来の監査役でも差し支えありません。
(2)非公開会社の登記手続
会社法施行日前(4月30日付)までの、非公開会社への変更登記の手続が必要です。
具体的には、株式譲渡制限規定を新設する旨の株主総会決議による定款変更と、登記手続が必要となってきます。
この結果、会社法施行日以降、非公開会社となりますので、監査役は従来どおり会計監査権限のみをもつことになり、会社法施行後も退任することなく、任期に影響はありません。
平成18年5月施行予定の新会社法では、配当に関して取扱いが変更されます。
今回はその主なものについてご説明いたします。
・現行法
利益の配当は通常の期末配当と中間配当の年2回に制限されています。
・新会社法
制限されることなく年に何回でも配当を行うことが可能となります。
・現行法
通常の期末配当を行うのに株主総会の普通決議が必要です。
(ただし、委員会等設置会社においては取締役会の決議によることが可能です。)
・新会社法
次のすべての要件を満たす場合は、取締役会の決議によることが可能となります。
(1)取締役会・監査役会・会計監査人のすべてを設置する。
(2)取締役の任期を1年とする。
(3)定款に取締役会の決議にて配当できることを定める。
(4)最終事業年度に係る計算書類が適法決算である。
・現行法
通常の配当において金銭以外の財産を配当することについては明文規定ありません。
また、中間配当については法律上、「金銭の分配」と明記されています。
従って、金銭の交付によることが基本とされています。
・新会社法
通常の配当(注1)において金銭以外の財産(注2)を交付することが明文で認められることとなりました。
(注1)中間配当については金銭のみです。
(注2)自己株式・自己新株予約権・自社の社債を除きます。
・現行法
配当可能利益の算出に期間利益を反映させることはできません。
前期末の貸借対照表上の純資産額から資本の額や法定準備金の額など一定の金額を差し引いた残額が配当可能利益となります。
・新会社法
臨時決算(期中に行う決算に準じた手続き)を行う場合は、前期末から臨時決算日までの 期間損益を反映させることができます。
配当可能利益(新会社法では分配可能額といいます。)は次により計算した金額となります。
分配可能額=(a)+(b)+(c)-(d)
(a):前期末の純資産額から資本の額や法定準備金の額などを差し引いた残額
(b):前期末後の下記の変動額
資本金・準備金減少額-自己株式の処分・消却額(帳簿価額)-剰余金配当額
(c):臨時決算による下記の金額
期間損益+自己株式処分の対価
(d):法務省令で定める一定の金額
平成18年5月施行予定の新会社法においては、有限会社制度が廃止されます。
この廃止に伴い、新会社法施行後に有限会社が必要とされる機関設計について取り上げます。
有限会社が株式会社へ移行した場合、公開会社(※1)でない株式会社(以下『非公開会社』という)として、現行の有限会社に準じた簡易な機関設計が認められています。
●株主総会と取締役は必要。取締役会・監査役は設置しなくても良い。
非公開会社においては、取締役会・監査役は任意の機関設計となります。
取締役会を設置しないことにより、オーナー経営者個人の意思決定による迅速な経営が可能となるメリットがあります。
●取締役会を設置しない場合には取締役は1人でも良い。
これまでの商法では取締役は3人以上必要となっていますが、取締役会を設置しない場合には、 現行の有限会社と同様に1名でもかまいません。この場合、現在の株式会社の定款には 「取締役3名以上置く」旨の規定が通常存在するため、その記載を削除することが必要になります。
ただし、取締役会を設置する場合には、取締役は3名以上必要です。
●取締役・監査役・会計参与の任期は、定款で最長10年まで伸長できる。
現行商法では取締役会の任期は原則として2年、監査役の任期は原則として4年ですが、 非公開会社においては、これらの任期を最長10年まで伸長することができるようになります。
また会計参与(※2)は社外取締役に準じた取り扱いとなるため、同じく最長10年の任期となります。
従って、取締役・監査役・会計参与の任期を定款に定め、10年に伸長しておけば、 手間とコストの削減になります。
※1公開会社:定款に株式譲渡制限を設けていない株式会社のことを公開会社といい、 株式上場といった意味での『公開』ではありません。
「株式譲渡制限会社」とは、株式の譲渡(売却・贈与など)について、定款に「会社の承認が必要である」 という定めがある株式会社をいいます。株主は会社の株式を売ってもよいのですが、そのときには会社の承認を得るという制限があります。
※2会計参与:取締役と共同して計算書類を作成する税理士等をいいます。
※3大会社:資本金5億円以上または負債総額200億円以上の株式会社をいいます。
平成18年5月施行予定の新会社法においては、有限会社制度が廃止されます。
この廃止に伴い、新会社法施行後に有限会社が必要とされる対応を取り上げます。
(1)定款変更手続きを行います。
株主総会の特別決議により定款を変更して、商号を『有限会社』から『株式会社』に変更します。
(2)(1)の株主総会決議から2週間以内に、下記の登記を行います。
・特例有限会社の解散登記。
・株式会社の設立登記。
※登記日より株式会社となります。
●特例有限会社が債務超過であっても、株式会社への移行は可能です。
登記手続上は、解散・設立の形式をとるものの、実態は単なる商号変更です。
このことから、債務超過の特例有限会社が株式会社へ移行する場合、新たに設立される株式会社における資本充実が害されません。
●その他の留意点
(1)株式会社にいったん移行した後は、特例有限会社に移行することはできません。
(2)事業年度は分断します。
旧来の特例有限会社が解散し、株式会社を設立しますので、会社法上は、事業年度が分断します。
ただし、税務上は解散・設立はなかったものとみなし、事業年度を分断しません。
従って、それぞれの年度で決算を組んで申告書を作成し、提出する必要はありません。
今回の会社法改正では下記の規定により、容易に株式会社にすることができることとなります。
・合名・合資会社から株式会社への組織変更ができる旨の規定。(会社法2条二十六参照)
・最低資本金制度の撤廃。
設立時に資本金の準備ができなかったこと等により開始した合名・合資会社にとっては朗報です。
これまでの有限会社から株式会社への組織変更では、税務上、継続として捉えられます。
そのため、資産・負債の引継ぎに関する受贈益は認識されません。
これは、有限会社と株式会社は共に「物的会社」であり、人格が同一であることが前提となっています。
合名・合資会社から株式会社の場合、「人的会社」から「物的会社」への組織変更となります。
異なる人格での組織変更について、税務上、現状と同様の取り扱いがされるのか、動向を注意する必要があります。
●会社法施行後、有限会社から株式会社にするには?
登記申請が必要になります。
○○有限会社から○○株式会社に変更することについて、定款の変更を株主総会において決議し、株式会社の設立の登記の申請と有限会社の解散の登記の申請が必要です。
●会社法が施行された後の有限会社は?
登記申請は必要ありません。
施行日現にある有限会社は、株式会社として存続することになります。この会社を特例有限会社といいます。
整備法の規定により、下記の部分は変更になりますが、新たに登記申請の必要はなく、登記官が職権で行うこととなっています。
「有限会社の定款」 → 「株式会社の定款」
「社員」 → 「株主」
「持分」 → 「株式」
「出資1口」 → 「1株」
※株式会社の発行可能株式総数及び発行済株式の総数は、有限会社の資本の総額を出資1口の金額で割った数となります。
例)
(施行日前) 資本の総額:300万円 出資1口の金額:1,000円
↓
(施行日後) 資本金の額:300万円 発行可能株式総数:3,000株 発行済株式の総数:3,000株
※ほとんどの会社は、会社法施行により登記は必要ありませんが、下記のような会社については、会社法の施行から6ヵ月以内に登記申請が必要となります。
○株式会社の場合
・株式の買受け又は消却に関する定款の定め等がある株式会社
・商法特例上の大会社又はみなし大会社
・委員会等設置会社である株式会社
○有限会社の場合
会社法施行前に、定款に(議決権の数または議決権を行使することができる事項)、(利益の配当)、(残余財産の分配)の規定による別段の定めがある場合において、その定めが属人的なものでなく、持分に関するものである有限会社。
新会社法では、「類似商号の禁止」の規定が廃止されるので、施行後は
同市町村内に同一の商号の会社を設立することができるようになります。
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